1月10日(金)~12日(日)にTOKYO AUTOSALON 2014 が今年も幕張メッセで開催され、
過去最大規模の840台の展示車数となり、3日間での来場者も29万人を越えた。
今回のオートサロンで目立った特徴は
・自動車メーカー系が力を入れて、スポーツイメージを打ち出してきた
・適度なパワーでバランス重視のライトチューンが更に勢力拡大した
・スポーツカータイプのクルマの出展が増えた
これらは昨年の86/BRZブームに少なからず影響を受けた時代の流れではないかと感じた。トヨタがLFAから始まり、あのタイミングでライトウェイトFRスポーツカーを作り、モータースポーツの重要性を示した影響はやはり大きい。
一方車種別にみると86/BRZの展示台数は圧倒的だ。実際には他の車種が増えたのか、多すぎた出展車が淘汰され、ユーザーの支持を得たショップ、メーカーが残ってきているという印象だ。
FT86オープンレーシングコンセプト
86オープンは今回スポーツイメージで展示されていた。4人乗りFRスポーツは大変稀少。コストを全て上乗せすることなく、クーペとあまり変わらない『手頃な価格』で発売されれば、これまでの86/BRZやマツダロードスターなどとは全く異なる新たな市場開拓となる可能性があるだけに発売が待ち遠しいモデルだ。
R35 GT-Rの展示台数は倍増したように感じられた。これは初期型の新車保証が切れたことに伴なって、『チューニング解禁』といった風潮となり、
ホイールメーカー、シートメーカーなど、パーツメーカー系もR35 GT-Rを展示し始めたためだ。
更にR35のベース車自体も2014年のビックマイナーチェンジによってエクステリア、インテリア、エンジン、シャシーと全面に渡ってブラッシュアップしてきた。これらディテールの変更、熟成の評価は高く、チューニングメーカー、ユーザー共に大きな刺激を受けている。
R35 GT-Rは高額車であったため、距離が少なく、程度が良い中古車が多い。これをベースにブーストアップすれば最高出力600PS程度を出すことも可能となれば、魅力的な選択肢だ。フェレディZや86/BRZの新車でしっかり作り込んだ価格を下回る可能性もある。
会場で目立ったのはランボルギーニの多さ。フェラーリ、ポルシェなどより遥かに多く、派手なカラーリングや個性を出すための『カスタマイズ』を好むユーザーが増えている。また近年大幅に信頼性を向上させてきている点なども見逃せない。
街で見かける機会が多くなったFIAT 500 & ABARTHの展示車も増えた。
SKYACTIVで元気なマツダはグランダムで活躍するマツダ6のレースカー展示やスポーツをイメージする展示を行うなどこれまでにない試みが見られた。
アクセラ XDはもちろんこれから出るであろうデミオとロードスターに期待が高まる。
スバルは渾身の日本専用車『レヴォーグ』のカスタマイズカーを多数展示。
レガシイとインプレッサの間を埋める。日本の旧来からのレガシイファンへ送る新しい日本のスポーツツアラーの提案だ。
軽の3台が凄い人気で注目を浴びていた。
発売になったばかりのスズキハスラー。
遊び心溢れるデザインと実用性の高さを両立。
ジムニーで磨かれたスズキの4WD製作技術とワゴンRで磨かれたエネチャージなどを取り入れたエコ技術を持つ。大ヒットの予感がするモデルだ。
着せ替えボディが話題のダイハツ KOPEN コンセプト
東京モーターショーではノーマルとミニ4駆風デザインで楽しませてくれたKOPENだが、今回はなんとサーキット仕様のフロントスポイラーと大型リヤウイング、派手なカラーリングを装備して登場。
サーキットに行かないときは大人しいノーマルで!という楽しみ方も出来る。
1台の登録で様々な楽しみを提供する新しい提案だ。もしかすると、これからのクルマのあり方が変わってくるかもしれない。是非、コンセプトを継承して発売してほしい。
モーターショーでも人気を集めたホンダS660 コンセプト
ビートの後継モデルを思わせるデザインだが、今の新軽規格の寸法で安定感を増し、更にターボを装着したパワフルなモデルとして蘇る。ミドシップ2シーターの本格スポーツがこのイメージを崩すことなく、来年デビューするのか注目される。
AMGは15台の展示モデルを一挙展示
最新型S65 AMG、そして最終型のガルウイングSLS AMG GT FINAL EDITIONが注目を集めていた。
シボレーからは新型コルベット C7
大幅な軽量化と性能向上を果たしたフラッグシップFRスポーツは美しい。いったいどんな走りを見せるのか。
今年はついついレポートを書いてしまうほど充実した東京オートサロンだった。
facebookのリアルタイムレポートもあります。
自動車研究家 出来利弘